■『歯科医院経営』2006年8月号

スタッフを増員するときに考えるべきポイント

歯科医院を繁盛させるヒント集8

(有)売り上げ向上委員会代表取締役&開業医 青山健一

院長のするべき本来の仕事

歯科医院経営2006年8月号

 仕事をしていく上で、今私の中の判断基準は、時間対効果ということです。
 時間対効果とは、同じ時間の仕事をするのに、私は何をすることが最も将来的にクリニックのためになるかということを考えることです。

 この時間対効果を考え始めたきっかけは、クリニックも大きくなってきてスタッフに仕事を任せていかなければ、自分だけの24時間では、とてもすべての仕事をこなすことができなくなったときに、自分にしかできない仕事と、スタッフでもできる仕事に分類し、自分は自分にしかできない仕事に集中せざるを得なくなったことがきっかけでした。

 自分にしかできないと思って分類していた仕事でも、それが手一杯になってくると、その中からさらにスタッフに任せる仕事を分類していかなければ、どんどん私の仕事が増える一方になってきますので、多少スタッフには重荷かなと思えても、どう転んでも本当に自分にしかできないと思える仕事に集中せざるを得ない繰り返しの状態なのです。

 私は常に「もっと向上しなくては」という考え方で変化していきたいと思っているので、どんどん新しい仕事が入ってくるのです。
 その度に、今、自分のしている仕事は本当に自分にしかできない仕事だろうか、と再確認するのです。

 そしてスタッフにこの仕事を任せるとすれば、自分は何をサポートすれば可能になるだろうかと考え、どんどんスタッフに任せる仕事が増えてくるのです。
 そうして自分は、真に自分にしかできないと信じる仕事にだけ、時間と知恵を使いたいのです。

 その時には、自分にしかできないと思っていた仕事が、何ヵ月後、何年後かには、工夫次第でスタッフにもできる仕事に変わっているから不思議なものです。
 そうやってクリニックも自分も進化していくのです。

 院長が掃除をする30分と院内のシステム作りをする30分では、クリニックの発展には雲泥の差が生じるのです。
 院長には、1日で仕事のできる時間は限られていますので、する仕事に関しては、常にこれは自分でしかすることができない仕事か、スタッフに任せることはできないかということを、厳しい目で自分に対してチェックしていかなくてはならないのです。


コンサルタントを選ぶ目を養う

 これからの歯科医院は、規制緩和により、本当の意味での自由競争に、突入することになるでしょう。今までは、歯科医院で倒産することはまずなかったので、院長は診療だけに、集中しておけばよかったのですが、これからは経営的な面で、勉強の必要性が、年々増えていきます。

 個人で細々とやっている歯科医院は、一般的な中小企業と同じような立場になってくると、考えられれば分かりやすいでしょう。
 なるべく経費を抑える為に、院長自らが色んなことをしていかなくてはいけません。診療以外にも、税務、営業、広報などを、1人で全てをカバーしていかなくてはいけなくなってきます。

 しかし、人間には得手不得手がありますので、営業や集客について苦手でも、治療技術は優れているような、職人気質の歯科医も少なくないと思います。
 そういう人たちは、自分は診療に専念して、営業的なことの多くは、専門のコンサルタントに任せる場合も増えてくるでしょう。

 その際、経営コンサルタントなどを選ぶ目がある人とない人とでは、経営的に、かなりの差がつくことでしょう。
 今後は、自分は得意な事に集中して、苦手な事は人に任せるタイプの医院と、全ての事を自分でやっていく医院に分かれてくると思います。

忙しすぎると気持ちに余裕がなくなってくる

 保険治療がメインのクリニックでは、どうしても忙しいので、かなりドタバタ働いている感じが強いでしょう。
 院長としては、できるだけ少人数で人件費を抑えたいので、ギリギリの人数で目一杯働いて欲しいのが本音でしょう。

 しかし、あまりに忙し過ぎますと、スタッフの方も心に余裕が持てなくなって、ミスが出たり、患者さんへの対応も冷たいものになりがちなのです。

 どれくらい忙しくなったら、スタッフの対応が不十分なものになってしまうかは、個人差はあるでしょうが、スタッフの気持ちがギスギスしてきていると感じる日にちが多いようでしたら、スタッフを増やすか、仕事の量を減らす工夫をしていかないといけないと思います。

 あまり余裕がありすぎて、だらけてしまうのは困りものですが、忙し過ぎて患者さんへの対応がおざなりになるようですと、いくら人件費を節約しても、決してクリニックの発展の為には、プラスにならないと思うので、1日も早くスタッフを補充する努力をするべきでしょう。


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